今回は、「公務員試験 年齢を重ねると面接で不利?」というテーマでお届けします。
最近よくいただく相談の1つに、「毎年面接対策を頑張っているのに不合格が続いている」「去年よりも対策を頑張ったはずなのに、なぜか順位が前年より下がっている」といったものがあります。
こうした結果にはさまざまな原因が考えられますが、その要因の1つとして「年齢」があるのではないか、というのが私の考えです。
そこで今回は、公務員試験において年齢が影響するのかどうかについて、私なりの見解をお伝えします。
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年齢を重ねると不利になる
まず、皆さんが一番気になっているのは、年齢による影響があるのかどうかでしょう。
結論から言うと、私は「年齢を重ねると不利になる」と考えています。しかも、年齢を重ねれば重ねるほど、その影響は大きくなっていくと見ています。
では、そう考える根拠は何でしょうか。
まず挙げられるのが、民間の労働市場を対象にした大規模な調査に基づく実証分析の結果です。結果だけをお伝えすると、「35歳を超えた人の転職確率は、年齢が5歳上がるごとに、出身大学の偏差値が10下がるのと同程度のマイナスの効果がある」ことが確認されています。
とはいえ、「偏差値が10下がる」と言われても、どのくらいのインパクトなのかイメージしにくいでしょう。そこで、具体的な大学群を挙げてご案内します。
以降の話で気を悪くされる方もいるかもしれませんが、説明の便宜のためですので、どうかご了承ください。
たとえば、この記事を読んでいる方の中には、出身大学がいわゆる「GMARCH」と呼ばれる大学群の方もいるでしょう。出身学部にもよりますが、GMARCHの偏差値が10下がるとなると、イメージとしては出身大学が「大東亜帝国」の大学群になるくらいのインパクトだとお考えください。
あるいは、出身大学がいわゆる「日東駒専」と呼ばれる大学群の方もいると思います。この場合、出身学部にもよりますが、偏差値が10下がると、出身大学がいわゆるボーダーフリーの大学群に変わるくらいのインパクトがあります。
この記事を読んでいる皆さんの多くは、公務員試験であれ民間の労働市場であれ、就職活動をした経験があるはずです。
そうした経験からも分かるように、これは決して小さなインパクトではありません。
つまり、少なくとも民間の転職市場をもとに考えると、年齢を重ねるごとに毎年ハードルが上がり続けていくことになります。
ですから、「毎年頑張っているのに、なぜか不合格が続いている」「毎年頑張っているのに、順位が下がり続けている」というのは、年齢とともにハードルが高まり続けていることを考えると、ある意味で自然なことだとも言えるでしょう。
公務員にも当てはまるの?
しかし、ここまでの話を聞いて、「その分析結果は、あくまで民間の転職市場を対象にしたものではないか」と思った方もいらっしゃるでしょう。
つまり、民間を対象にした分析結果なのだから、公務員の転職市場にそのまま当てはめられるわけではないのではないか、という疑問です。おっしゃるとおりだと思います。
残念ながら、公務員の転職市場を対象にした分析は、少なくとも私が調べた範囲では見つかりませんでした。
そのため、この点については理論的に考察してみるしかありません。
理論的に考察してみると、公務員の転職市場においても、年齢による影響、それもネガティブな影響は一定程度出てくるのではないか、というのが私の意見です。
ここからは、そう考える理由をご案内します。
これを考えるには、そもそもなぜ年齢を重ねるごとに民間の転職市場で不利になっていくのかを、まず押さえておく必要があるでしょう。
つまり、加齢がなぜネガティブな影響を及ぼすのか、そのメカニズムを考えてみたいと思います。
その際、核となる発想はおそらく「長期雇用を前提とした教育投資」です。
少し話が複雑になってきたので、ここからは単純化して考えてみましょう。
民間企業であれ公務員の組織であれ、それぞれの組織は、新しく採用した人に対してさまざまな形で教育投資を行います。
入ってからしっかり仕事ができるように、あるいは能力を高めていけるように、組織は採用した人にいろいろな形で教育投資を行っているはずです。それはOJTの形を取ることもあれば、OFF-JTの形を取ることもあります。
いずれにしても、企業や組織は、採用した人に対してさまざまな教育投資を行っています。
これを前提として、たとえば皆さんが今30代だとしましょう。
30代で、ある組織に入ったとします。その場合、入ってから教育投資を受ければ、その効果は少なくとも約30年続くことになります。
今の日本の定年を前提とすれば、おおよそ30年は教育投資の効果が続いていくわけです。
つまり、若ければ若いほど、企業が教育投資をしたときに、その効果が持続する期間が長くなるのです。
では、企業が定年間近の人を採用したとしましょう。行政組織でも構いません。組織が定年間近の人を採用し、教育投資をしたとします。
しかし、その教育投資の効果は、数年しか持続しません。すぐに定年を迎えてしまうからです。
なんとなくイメージはつかめたでしょうか。
各組織が教育投資を行っていることを前提とすれば、若い人ほどその効果が長く続きます。そのため、ほかの条件が同じであれば、より若い人を採りたいと考えるのは、ある意味で自然なことなのです。
ここまでの話を踏まえて考えてみます。今お話ししたメカニズムは、民間企業にだけ当てはまるものでしょうか。
どう考えても、そんなことはないはずです。行政組織、つまり公務員においても、同じメカニズムが働いていると考えるのが自然でしょう。
少なくとも、「行政組織ではそんな話は成り立たない」と考える根拠はないように私には感じられます。
特に行政組織では、民間企業以上に長期雇用がまだまだ前提となっています。そう考えると、同じようなメカニズムは行政(公務員)においても成り立つと考えるのが妥当です。
だとすれば、冒頭でご紹介した調査は民間企業を対象にしたものでしたが、「年齢を重ねるごとに、採用に少しずつ不利な影響が出る」という同じ理屈は、公務員の転職においても成り立つと考えられます。
なお、面接で結婚や年齢について聞かれたときの向き合い方については、「【公務員試験】面接で女性は不利?結婚・年齢の質問への向き合い方」で解説しています。
注意と例外
ただし、ここで注意点と例外にも触れておきます。
今の話は、あくまで「年齢を重ねると、少しずつ不利な影響が出てくる」というものにすぎません。
「35歳を超えたらもう駄目だ」「40歳を超えたら公務員への転職は不可能だ」「40歳を超えると、それだけで落とされる」といった話では一切ありません。
実際にGravityでも、35歳や40歳を超えてから公務員への転職を成功させた方がいらっしゃいます。ですから、「35歳を超えたら駄目」「ある年齢を超えたら自動的にアウト」という話ではないことに注意してください。
たとえば、現職が公務員の場合は、35歳を超えていても転職できる可能性は大いにあると思います。
また、現職が公務員でなくても、技術職や福祉職、心理職といった専門職では、年齢の影響は事務職よりもはるかに小さいと考えられます。そうした方は、過度に不安になる必要はないでしょう。
事務職であっても、特別区経験者採用の2級職や国家公務員経験者採用の係長級であれば、40歳を超えていても十分に合格を勝ち取れるはずです。こうした注意点と例外は、ぜひ把握しておいてください。
なお、特別区経験者採用の年齢要件は「62歳未満」ですので、40代・50代の方も受験できます。
年齢要件:62歳未満(試験・選考がある年の翌年4月1日を基準に算出)
令和8年度の場合:昭和40年4月2日以降に生まれた人
出典:特別区人事委員会「経験者採用試験・選考Q&A」、特別区人事委員会「令和8年度経験者採用試験・選考【秋試験】のご案内」
年齢がある線を超えたら自動的にアウトになる、という話ではないので、この点はぜひ覚えておいてください。
合格者を手本に
とはいえ、この記事を読んでいる方の中には、「自分はもう不利になっているかもしれない」と感じている方もいるのではないでしょうか。
では、そうした方はどうすれば合格を勝ち取れるのか。
ここでは、実際にそうした年齢から合格した方々を参考にするのがよいでしょう。
繰り返しになりますが、Gravityでは、35歳を超えていても、40歳を超えていても、公務員への転職を成功させた方が大勢いらっしゃいます。
この方々の共通点は、「面接も面接以外も、早い段階から徹底的に対策していた」という一言に尽きます。
つまり、年齢の影響が面接で出てくるのであれば、それを吹き飛ばすくらい面接対策を徹底しておく。仮に面接で不利になるとしても、それを跳ね返せるくらい、論文試験などの筆記試験の段階でアドバンテージを確保しておく。
こうした姿勢で徹底的に対策に励んだ受験生が、合格を勝ち取っています。
年齢の影響が出るとしても、それを跳ね返す。そのくらいの覚悟で早い段階から対策をしている方は、きちんと合格をつかんでいるのです。
ですから、仮に年齢的に不利な影響が出るかもしれないとしても、それは十分に跳ね返せるものだと知っておいてください。
たとえ不利な影響が出るとしても、それを跳ね返せるくらい自分自身を徹底的に鍛える。それも、早いタイミングで本気の決断をし、徹底的にトレーニングを積んでいく。
そうしたマインドセットで、今後の試験に臨んでいただければと思います。
なお、40代後半で特別区経験者採用に合格した方の体験記は、下記の記事で紹介しています。

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