【公務員試験】警察官からの転職は困難?

【相談内容】

私は某県で警察官をしていますが、パワハラなどの理不尽が多いことから、家族とも相談し転職を考えています。

転職先として公務員の事務職を目指そうと思っていますが、自分のような経歴でも合格は可能でしょうか?

ちなみに年齢は20代後半で、勤務経験は5年になります。

【はじめに】

結論から申し上げますと、合格可能性は高いと私自身は考えます。

といいますのは、質問者さんに限らずですけれども、一般に警察官の方が公務員の事務職へと転職をしていきたいといったときに、私が観測してきた範囲では「そもそも合格可能性が高い」んですね。

実際、Gravityにおいても、質問者さんのように「数年間警察官として勤務してきました」という経歴をお持ちの方が、最終合格内定を勝ち取って公務員の事務職への転職を成功させております。

下記が警察官からの転職体験談となりますので、併せてご覧ください。

となりますと、じゃあ、どうして警察官から公務員(事務職)への転職はうまくいくんですか?この理由が知りたいところですよね。

ここでは大きく3つの理由を挙げてみたいと思います。

なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。

①愚直さ

これは私自身の経験になってしまうんですけれども。私、以前勤めていた予備校においては、特別区とか国家一般職とかそういったコース以外に、警察官や消防官を目指している方への指導も担当しておりました。

そこで強く実感したことなんですけれども。警察官とか消防官を目指してらっしゃる方、いわゆる「公安職」を目指してらっしゃる方ですよね、この方々ってものすごく愚直なんですよね。

例えばなんですけれども「この課題をやってください」「次回までにやってきましょう」という風に言いますと、「はい、分かりました」と言って、それをしっかりこなしてきてくれる。こういった方々が、警察官・消防官を目指している方にはとても多かったように実感しております。

こういった「愚直さ」というのは、事務職への転職をしていきたいときにも必ず役立ってまいります。

どうしてかと言いますと、結局のところ事務職への転職をしていきたいという場合には、やはり教養試験とか論文試験、こういったものの勉強をしていかなくてはなりません。そして、それらの対策をしていくにあたっては、やはり愚直に対策ができるというのは非常に大きな強みとなってまいりますので、合格可能性が高いのかなと個人的には思っております。

②見た目

少なくとも私がこれまで見てきた範囲では、警察官をやっていましたという方々、スーツの着こなし等も含めて身だしなみ・見た目に気を配っている方がとても多い。

といいますのは、警察官の方々、非常に身だしなみを意識しなくてはいけない職業でいらっしゃいますよね。実際、警察学校でも身だしなみ等についてはすごく厳しく指導を受けたと、過去の教え子たちからいろいろ話を聞いております。

ということもありまして、やはり警察官の方々は、面接に入ってから身だしなみのところでかなりアドバンテージがあるなと私自身は思っています。

そして、あくまで傾向的なことで申し上げますと、平均的な事務職の受験生に比べて体格が立派でいらっしゃることが非常に多いんですね。筋骨隆々としていたり肩幅があったり身長があったりとか、そういった方々がとても多い。そういった方々は、面接に入ってビシッとスーツを着こなしていると、やはりすごく映えるんですよね。

ということで、そういった見た目・身だしなみというのが面接に入ってからプラスの影響を及ぼしているのではないかと私自身は考えております。

③ストーリー

例えば警察官の方々って、日々、様々な犯罪とか様々な相談を受けてらっしゃると思うんですよ。分かりやすいところで申し上げますと、窃盗の被害とかDVとか、色々な犯罪・相談事・困り事というものを、日々、市民・県民から聞いていることだと思います。

ただし、警察の業務では、犯罪そのものを直接的に減らしていくということはなかなか難しい部分もありますよね。

例えば、窃盗を考えてみましょう。窃盗を考えたときには、窃盗の背後には例えば「何かしらの貧困」というのがあるかもしれないですよね。でも、その貧困というものを警察の業務で減らせるのか?といったときに、これはなかなか難しい、と。

ですけれども、

「行政官であれば、こういった貧困問題に対しても直接的にアプローチをしていくことができるのではないか。そういう風に考えるようになったので、警察官から行政官への
転職を考えるようになりました」

ということで、「どうして行政官に転職したいんですか?」という理由・きっかけ・志望動機といったところを、ストーリーとして紡いでいきやすいというのが警察官の方々の特徴であります。

ということで、こういった事情がもろもろ重なった結果として、公務員への転職、行政官への転職というのがうまくいきやすいのではないか、そういう風に私自身は考えております。

国家か地方か

ということで「行政官への転職というのは警察官から目指せるのか!」ということをご理解いただけたと思います。

そうなりますと、次に考えなくてはいけないのは、じゃあ、「国家公務員」「地方公務員」のどちらをメインで受験していこうかな?こういうお話になってまいりますよね。

結論から申し述べますと、私自身が警察官の皆さん方にオススメしたいのは、地方公務員であります。どうしてなの?という話になるわけですけれども。

質問者さんやこれを見てくださっている警察官の皆さん方って、日々、市民・県民の困り事に直接接してらっしゃると思うんですよ。

例えば一番分かりやすいのは、交番勤務の皆さん方ですよね。交番って、お年寄りから子どもまで色々な人たちが直接そこを訪れて、○○△△についての相談とか、そういったことをしていくわけじゃないですか。

つまり皆さん方は「人々と直接接する」というのが業務の中心になっていると思うんですよ。

それを考えたときに、国家公務員と地方公務員って、どっちの方が人々と直接接することが多いんだろうか?というと、地方公務員の方がやはりそれは圧倒的に多いわけですね。

特に市役所区役所というのは、住民に最も近い基礎的な行政サービスを提供する組織でありますので、住民との距離感というのが非常に近い、と。

ということを考えたときに、皆さん方のこれまでの経験、すなわち「人々と直接接する」とか「困り事・相談を受ける」とか、そういった経験というのはどちらで活きるのか?と言いますと、やはり市役所とか区役所とか通称「基礎自治体」と言われる組織の方が相性はいいんじゃないかなと思うんですね。

何よりも、面接に入ってから「じゃあ、皆さんの経験って、どういう形でウチの組織で活かせるんですか?」と言われたときに、市役所・区役所の方が絶対に話しやすいと私自身は考えます。

ですので、もちろん、併願とか色々あるとは思うんですけれども。基本線としては、市役所・区役所を中心に地方公務員を狙っていくというのが一番いいんじゃないかなと私自身は思います。

なお、併願先の申込日程や1次試験日程については、公務員試験「経験者採用(社会人採用)」日程データベースにまとめておりますので、是非ご活用ください。

大卒枠か社会人枠か

ということで。警察官から行政官への転職というのが大いに狙えるのも分かった。そして国家公務員と地方公務員であれば地方公務員。特に地方公務員の中でも市役所とか区役所を狙っていくというのがいいんじゃないかということも分かった、と。

じゃあ、次に皆さん方が気になってることって何か?というと、おそらくですけれども、いわゆる「大卒程度枠」と言われるやつで受けていくのか「社会人採用枠」と言われるやつで受けていくのか、どっちを受けるんだ?というところだと思うんですよね。

これは、皆さん方一人ひとりの状況によっても変わるとは思うんですけれども。例えば質問者さんのようにご家族がいらっしゃるとか、あるいは警察官としての勤務経験が数年間あるということなのであれば、私としては社会人採用枠の方が戦いやすいんじゃないかと思っております。

どうしてなの?という話になるわけですけれども。おそらく質問者さんやこれを見てくださってる皆さん方って、十中八九働きながら転職を目指していこうかなってお考えだと思うんですよ。

つまり、警察官を辞めた上で公務員試験をもう1回受け直すというのではなくて、大変かもしれないけれども働きながら何とか転職を目指していきたい、ということなんじゃないかなと思うんですよ。少なくとも私がこれまで指導してきた範囲では、そういった方々が99.9%でした。

例えば質問者さんは文面に「家族」という文言がありますけれども。これを見てくださってる皆さん方の中には、例えばお子さんがいらっしゃるという方もいらっしゃると思うんですよね。お子さんがいらっしゃるということになると、そう簡単には今の仕事を辞めるという意思決定はできないと思うんですよね。

ということになると、やはり必然的に働きながら受験せざるを得ない、と。そういうことになると思います。

それを考えたときに、社会人採用枠と大卒程度枠ってどういう違いがあるのかと言いますと、社会人採用枠の方が相対的には筆記試験の負荷が小さめに設定されているんですよね。

現に警察官としての採用試験を突破した皆さん方だったら分かると思うんですけれども。大卒程度試験、かなり大変でしたよね?筆記試験の負荷、かなり大きかったですよね?

こういった、社会人採用枠の方が筆記試験の負荷が小さくて、大卒程度枠の方が筆記試験の負荷が大きいということを考えますと、働きながら挑むのであれば、やはり社会人採用枠の方が現実的ではないか、そういう風に私自身は考えております。

ただ、この辺りにつきましては、一人ひとりの置かれている状況によっても異なってくると思うので、ぜひ、ご自身なりに検討してみて、場合によっては予備校等に相談するなどして、社会人採用枠を受けていくのか大卒程度枠を受けていくのか、また考えてみていただければなと思っております。

✅社会人専用の面接対策講座

gravity

Gravityの「面接対策講座」は、徹底した指導と圧倒的なボリュームによって、面接試験の確実な合格を目指す講座となります(社会人採用に完全特化)。

公務員試験で最も配点が大きいのが「面接試験」です。面接試験の結果が試験の合否にそのまま直結します。

この講座では、実際にさまざまな公務員試験に最終合格してきた「奥田講師」と「筒井講師」の2人の戦略やノウハウを惜しみなく伝え、「ダブル指導体制」で最終合格へと導きます。

詳細は下記のリンクから!

当サイトについて
筒井夢人

面接研究所を運営している筒井夢人と申します。プロ講師として、公務員試験の面接指導を長年行ってきました。なお、自身も公務員試験を受験しており、国家公務員(総合職・一般職)・県庁・特別区・横浜市・仙台市などに最終合格しています。

面接対策