【相談内容】
自分は人からいじられやすいと思われたりすることがよくあり、なぜか「意外としっかりしてるんだね」と言われることが多いです。自分の振る舞い方などに問題があるのかなと思います。
これが面接とかで影響したりしたら怖いです。先生が人前で話す時気をつけていること等あれば教えていただきたいです。
特に堂々と話すポイントとかも言及していただけるとありがたいです。
【はじめに】
このような質問を待っていました。というのも、私は大学で弁論部に所属して以来、ずっと「話す」ことについて考えてきたからです。
専攻は経済学と心理学ですが、自分のコア・コンピタンスは「話す」ことだと思っています。
実際、民間企業の面接でも公務員の面接でも役に立ちましたし、今もプロの講師を続けられているのは、それによるところが大きいと思います。
そのため、面接対策・プレゼンテーション・集団討論対策の講義以外でも、こうした話をしたいと思っていたところでした。質問者さん、ありがとうございます。
とはいえ、気をつけていることは山ほどあります(笑)
どこから話せばよいか迷うところですが、ここでは質問者さんが想定している「面接」の場で役立ちそうなことに絞ってお話しします。
ネタの整理
ここでは3つ挙げます。1つ目は「ネタの整理」です。
要するに、「何を話すか」ということです。話が上手くなりたいと思ったとき、多くの人は「どう話すか」を考えます。
それはそれで重要ですが、「どう話すか」の前に、「何を話すか」のほうが重要だと私は考えています。料理にたとえるなら、「どう話すか」は料理人の腕、「何を話すか」は素材といったところでしょう。
いくら料理人の腕がよくても、素材が傷んでいたらどうすることもできません。腕を磨く前に、まずは食べられる素材をきちんと準備することが重要です。
面接でも同じことが言えます。まずは、何を話すかを整理・準備するところから始めましょう。
ありがたいことに、公務員試験の面接では、聞かれることがある程度決まっています。自己PR・志望動機・やりたいことなどが、その典型例です。
これは、客が注文するメニューがあらかじめ決まっているようなもの。だとすれば、どのような素材をそろえておけばよいかも、事前に分かるはずです。
もちろん、「なんだその質問は」と思うような変化球もあります。たとえば、私が公務員試験で実際に聞かれたものに、「筒井君さぁ、桃太郎と金太郎のどっちが好き?」という質問がありました。
とはいえ、変化球がメインというわけではありません。やはりメインは基本的な質問です。
ですから、そうした基本的な質問に対して「何を話すか」をきっちり整理しておくことが、まずは重要でしょう。
話す経験
2つ目は「話す経験を積むこと」です。当たり前の話ですが、話す経験を重ねてきた人のほうが流暢に話せます。
たいていの場合、話の上手い人は長く地道な訓練を重ねています。歴史に名を残すような演説家も例外ではありません。
キケロ、クインティリアヌス、グラッドストン、リンカーン、キング牧師、チャーチル、ヒトラー、オバマなど、彼らは皆スピーチの訓練を積んでいました。
ヒトラーなどは生まれ持った才能ばかりが注目されますが、実際には彼でさえ専属のコーチをつけ、徹底的な指導を受けていました。
ポール・デヴリエントというオペラ歌手を招き、発声・ジェスチャー・声の高低・間の取り方・目線など、さまざまな指導を受けていたことが記録に残っています。
もちろん、彼らには才能もあったでしょう。先天的に話が上手い人は、確かに存在します。
センスや才能はどの世界にもあり、それは話すことについても当てはまります。
ただし重要なのは、才能に恵まれていたであろう彼らでさえ、訓練をしていたという事実です。ですから、面接に臨むにあたって、皆さんにも訓練が必要なのは言うまでもありません。
しっかりとした指導者のもとで模擬面接を繰り返し、話す経験を積み重ねること。地味に思えるかもしれませんが、これを繰り返すことが唯一の近道です。
「1日で上手くなる!」「3日で劇的に変わる!」といった必殺技は、面接対策にはありません。論文対策と同様、どうしてもある程度の時間が必要になります。
ですから、「面接対策は筆記試験が終わってからで大丈夫」という公務員試験業界の風潮には違和感を覚えます。もっと早めに始めるべきだというのが、正直な気持ちです。
なお、模擬面接を何回受ければよいかについては、「公務員試験の模擬面接は何回受けるべき?目安となる回数を解説!」で解説しています。
呪文を唱える
3つ目は「話す前に、ある文章を心の中で唱える」ことです。ここでは、心理学の研究結果を紹介しましょう。
心理学の研究によれば、不安や怒りの感情を覚えたとき、心の中で「あらかじめ決めておいた文章」を唱えることで、その影響を和らげられるとされています。
こうした文章を、専門用語で「自己陳述文」といいます。
私が特に参考にしているのが、阿部ら(2006)で取り上げられている自己陳述文です。具体的には、次のような文章になります。
2. 「自分の思いどおりに人が動くとは限らない」
厳密には、上記の自己陳述文は、論文の中で「怒り」の感情への対処法として紹介されているものです。しかし私は、この論文を読んで以来、不安や緊張にも応用できると考え、ずっと使っています。
そもそも面接で緊張するのは、面接官の反応が気になるからではないでしょうか。しかし、よく考えてみると、面接官がどのような反応を示すかは、受験生がコントロールできるものではありません。
では、コントロールできるものは何でしょうか。答えはいたって明快で、自分自身だけです。
だとすれば、大事なのは「コントロールできる自分に集中する」「面接官はコントロールできないので、気にしない」ことでしょう。そして、それを強烈に意識するのに、先ほどの自己陳述文が役立つのです。
私自身、面接・弁論・講義・講演・結婚式のスピーチなど、人前で話すあらゆる場面で、この自己陳述文を唱えています。
話が長くなってしまいました(笑)こうしたことに気をつけながら、私は人前で話をしています。
参考になったか分かりませんが、私が気をつけていることは以上です。ほかにも気をつけていることや話したいことは山ほどありますが、今回はこのあたりにしておきます。
もし追加で聞きたいことがあれば、またお問い合わせください。
ちなみに、面接で明るい印象を与えるコツについては、下記の記事で詳しく解説しています。

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