おたよりの内容:模擬面接で「雰囲気が暗い」と指摘を受けました。自分は落ち着いたキャラなので、そのように見られたのだと思います。やはり面接で暗いというのは不利で、無理をしてでも明るく演じるべきなのでしょうか?
結論から申し上げますと、私は明るく演じるべきであると考えます。少なくとも“自分自身が明るい人柄である”と演出していくことは面接において非常に重要であると考えます。
では私が左様考えるのはなぜなのか?その理由について皆さん方にとっくりとご案内していきたいと思います!
なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。
「暗い」とは?
今回の質問には「暗い」という表現が出てまいりましたので、「暗い」とは一体何なのか?この部分についてまずは考察してみたいと思います。
この「暗さ」、あるいはその反対に属する「明るさ」というのは一体何なのか?何に関連した概念なのか?といったときに、これは心理学における「外向性」という性格特性に関連する概念だと思われます。
ちょっと小難しいなと感じたかもしれないんですけれども。心理学においては人間の性格というのを「ビッグファイブ」と言われる5つの要素で記述することが多うございます。
ビックファイブの5要素 | ||||
①調和性 | ②開放性 | ③外向性 | ④誠実性 | ⑤情緒安定性 |
この5つの要素の中の1つに「外向性」と言われる性格特性があります。で、この「外向性」というのが現在議論している「暗さ」とか「明るさ」とかこういったものに関わる概念なんですね。
じゃあ外向性って一言で言うと何なんですか?と。これ誤解を恐れずに一言で申し上げてしまうのであれば「人との関わりを楽しめること」。こうした特性を外向性と称します。
つまり自分以外の他者と関わる、そしてその関わりの中に楽しさを見出していく。そういった性質のことを外向性と言うわけですね。
でももしかしたら、「まぁなんか分かるんだけどちょっと分かるようで分からない」という人もいるかもしれませんので、外向性について具体例で紹介していきたいと思います。
ということで、ここからはちいかわを例にご案内していきます。

『ちいかわ』ナガノ/講談社
こちらはちいかわの無二の親友、ハチワレであります。皆さん方もおそらくちいかわをそんなに詳しくない人でも、ハチワレのことを見たことはある、あるいは聞いたことはあるという方はとっても多いと思うんですね。
で、おそらくなんですけれども、これを見ている皆さん方。ハチワレに対して明るいヤツだなという印象を持ってらっしゃると思うんですよ。
皆さん方がそのように判断する理由は何でしょうか?色々あるとは思うんですけども1つの理由として、ハチワレって自分以外の他者と関わるときすごく楽しそうにしてますよね。
ちいかわ、うさぎ、シーサー、モモンガ、ラッコ先生。色々な自分以外の他者と関わることの中でハチワレは明らかに楽しさを見出してますよね。他の人たちと関わることがすごく楽しい。少なくとも他者との関わりを忌避しているという描写はハチワレに関しては一切見受けられませんよね。
ということで、なぜ皆さん方はハチワレのことを明るいと感じるのか?それは「他者との関わりの中に楽しみを見出しているから」ということであります。つまりこの観点から言うと明らかにハチワレは外向性がありますね。だから「明るい」と皆さん方は感じるわけです。
さて。では以上のことを踏まえて考えてみたときに、「暗さ」というのはこれと反対の概念なわけですよね。つまり暗さというのは端的に言ってしまえば、他者との関わりの中に楽しさを見出していない、あるいはそのような性質・様子のことをして「暗い」と我々は称するわけです。
皆さん方もね、脳内に明るい人とか暗い人とかそれぞれイメージしてみましょう。おそらくなんですけれども皆さん方がイメージした明るい人というのは、やはり他者との関わりの中に何らかの楽しさを見出していそうだなという印象を確実に持ってらっしゃるはず。
一方で皆さん方の周りにも当然、明るくはなくてちょっと暗い人だなと感じる方が少なからずいらっしゃると思うんですよ。そういった方々についてよくよく観察してみるとおそらくですね、他者との関わりの中にその方々は楽しさを見出していない。
あるいは少なくとも皆さん方から見たときに、「あの人って他の人と関わるの楽しくなさそうだな」と。そう感じさせる”何か”というのが間違いなく存在しているはずです。
ということで、まずは「暗い」って何ですか?という話をまとめますと、「暗い」というのは他者との関わりの中に楽しさを見出していない様子。まずはそのように差し当たりは定義しておきましょう。
暗いと面接で不利?
次に、暗いと面接で不利なのか?この点についても言及したいと思います。端的に申し上げますと、暗いというのは面接で不利に働くと私は確信しております。
どうしてかといったときに、明るさには価値があるけれども暗さにはそれ単体としての価値がないからであります。ここでは分かりやすさのために、皆さん方が市区町村を受験しているという状況を考えてみましょう。
市区町村でのお仕事というのは住民との距離が非常に近い。すなわちある種のサービス業であるということが言えるわけですね。
そしてサービス業、いわゆる第三次産業ですけれども。こういった産業の1つの特徴に「感情労働を求められる」というのがあります。
例えば市区町村においては住民の方と接する中で、時には暴言を吐かれたりとかクレームをつけられたりとか、そういったツライことにも遭ったりするわけですよね。
そのとき人間の自然な感情としては、「はぁ…」って。ちょっとショボ…ってなっちゃうじゃないですか。当然落ち込みますよね。
だけれども、じゃあ窓口でキツイこと言われたから「はぁ…」っていう状態でずっと居ていいのかというと、そうは問屋が絶対一個も卸してくれないわけですよね。
つまりどんなツライことがあったとしても、次に市民・区民の方々と接するときには明るく笑顔で接さなくてはいけない。つまり明るく振る舞うことが第三次産業では求められる。このように感情をすらコントロールすることを、我々は現代の労働市場において求められているわけです。
皆さん方はまさに市区町村においてもそういった形で、ツライことがあって暗くなりかけたときでも明るく振る舞わなくてはならないということになるわけですね。
だとしたときにはですよ。少なくとも面接という場において明るく振る舞える人材・明るそうだなっていう人、どう考えたって評価されるに決まってますよね。
だってツラくなっちゃうときに明るく振る舞わなきゃいけないのがサービス業なんでしょ。だとしたら、面接において明るく見える人はそれが実際にできる人なんだから評価されますよね。
では翻って考えてみたときに暗い人はいかがでしょうか?これどう考えても、サービス業向いてないじゃん!って判断されちゃいますよね。
ツラくても明るく振る舞わなきゃいけないけれども、暗い人はただ暗いままでいる可能性がある。だとしたのであればどちらのほうが評価されるのかと言えば、それはやはり「明るさがある人」という形になってしまうと思います。
ということで話をまとめますと、面接において暗いことは不利であるのか?不利に働きます。なぜなら、明るさには価値があるけれども暗さにはそれ単体としての価値がないからであります。
楽しくなさそう
では、模擬面接官も含めて面接官が暗さを感じる原因は一体何なのか?これは非常にシンプルでありまして。面接官と話すのが楽しくなさそうに見えるからなんですよ。
ここでは面接で不合格になりがちな方ではなくて、合格していてかつ上位合格をしている人たちによく見られる特徴を1つご案内します。
例えば模擬面接あるいは本番の面接でも構いませんけれども。私は予備校の講師をしておりますので、それらが終わったあとに受験生の皆さん方に感想を伺うんですね。面接どうでした?とか。模擬面接受けてみて感想どうでしたか?とかそういうことを聞くんですよね。
そのときに上位で受かる人たちがよくよく仰る言葉の1つに、「なんか結構あっという間で、もうちょっと話したかったです!」こういう風に仰る方すごく多いんですよ。
これはね私、講師になってからすぐに気づきました。上位合格する人たちはこの言葉をよく口にするんですよ。ではどうしてこういう言葉が出てくるのか?これ理由は非常に簡単なんですね。
それは何かと申しますと、彼らは事実として面接を楽しんでるんです。つまり面接官という自分以外の他者と話をすること・関わることについて、実際に彼らは心の底から楽しんでるんですね。
もちろん面接というのは評価をされる場所ですから、当然彼らにも緊張とか不安というのはあるんですよ。ですけれども面接で実際に色々な話をしているうちに、その状態が現に楽しくなっちゃってるんですよ。
余談ですけれども、私自身もこの気持ちは非常によく分かります。私も公務員試験、様々な組織を受験してきましたけども。面接、割合に楽しかったなっていう印象が残ってるんですよね。
もちろん他の動画でも触れたように、圧迫されたりとかね、訳の分からん詰めをされたり…そういったことはあったんですよ(笑)そのときには当然、エェ!?という風になるはなるんですですけれども。トータルで見てみたときにはもうちょっと話したいなって思うタイプだった。
ですから上位合格者が言うように、あっという間だったとか話し足りなかったとか、そういう気持ちがよく分かるんですよね。
いずれにいたしましても、特に上位で受かってる人たちの多くがこういう風に事実として面接を楽しんでいるから、もうちょっと話したかったなという気持ちになっているわけですよ。
それと比較したときに、やはり模擬面接で低い評価を受けるとか、あるいは本試験で低い評価を受けて不合格になってしまう人たちというのは面接を楽しんでなさそうなんですよね。
面接を楽しんでなさそうというか、面接官との会話・おしゃべり・話、そういったものを「もう一刻も早く終わらせたい!」という空気がプンプン出てるんですよ。
模擬面接とかでも、たぶんこれ面接で質問されるのイヤなんだろうなとか、たぶん一刻も早く終わってほしいと感じてるんだろうなとか。少なくともその場を楽しんでいる雰囲気がまったく伝わってこないということは割に多うございます。
そしてそのような形で他者との会話を楽しんでなさそうな雰囲気が出てしまうから、この人は暗い人なんだなと解釈されてしまうということなんですね。
明るさを出す方法
ではですね、もしこれを見ている皆さん方が「自分自身少しでも明るい人に見られたい!」「少なくとも暗い人だなという解釈はされたくない!」という場合に一体どういうところに注意すればいいのか?もちろん挙げ出せば百万個あるわけですけれども。ここではかいつまんで3つのものをご案内したいと思います。
①笑顔
1つ目が「笑顔」であります。これを説明するために、再度ハチワレを例にご案内したいと思うんですけれども。ハチワレって基本的にはいついかなるときも笑顔を欠かさないですよね。

『ちいかわ』ナガノ/講談社
もちろん追い込まれたときにはね、シブイ顔をしてたりとか、「〇〇ってコト!?」のときに笑顔はないですけれども。それ以外のシチュエーションでは常にハチワレは笑顔を絶やさない。だからこそ皆さん方はハチワレに対して、なんか明るそうでイイ奴だなっていう評価を下していると思うんですよ。
ということで、明るさを出すための一丁目一番地・基本のキはハチワレに代表されるような「笑顔」である。そういうことが言えようかと思います。
ですのでぜひ皆さん方にあっては、普段からハチワレのようなミリオンダラースマイルを心がけていただきたいと思います。
②大きな声
2つ目が「大きな声」であります。こちらは仲良し3人組の一角、うさぎであります。

『ちいかわ』ナガノ/講談社
うさぎの特徴といえばやはり何と言っても「大きな声」ですよね。ハチワレから「声でかっ」とかそういったことを言われるくらいに非常にビッグボイスである。それがうさぎの特徴ですよね。
おそらく皆さん方、うさぎに対してもハチワレと同様に、なんか明るいキャラクターだな、と。少なくとも暗いというのはうさぎからは感じられないと思うんですよ。ということで、うさぎもやはり明るいじゃんということになるわけですけれども。
じゃどうしてうさぎのことを皆さん方は少なくとも暗くはないなと感じるのか?理由の1つには間違いなく、しっかり通る声を発しているというのが確実にあると思うんですね。
皆さん方も例えば暗いなって思う人たちを頭の中でイメージしてみてください。その方々の中に声が大きい人ってまず間違いなくいないと思うんですよ。
反対に皆さん方が明るいなと思う方々って、おそらくはかなり多くの割合で声が大きい、少なくとも声を張っているなという印象を持つと思うんですよね。
ということで明るさを演出するときの1つの要素として、やはり「声の大きさ」というのは非常に重要なものになってまいります。ですので皆さん方も、普段から声を張る・大きな声で話そう。こういったことを意識するだけでも面接での評価は変わってこようかと思います。
③ポジティブ表現
3つ目が「ポジティブ表現」であります。こちらはハチワレと並んで屈指のポジティブプレイヤー、シーサーであります。

『ちいかわ』ナガノ/講談社
私思いますに、シーサーちゃんはハチワレと並んで相当人気があるなと思うキャラクターなわけですけれども。じゃあどうしてみんなシーサーちゃんが好きなのか?当然今の文脈で言えば「明るいから」ということになるわけですけれども。
シーサーちゃんの明るさを構成している1つの要素には間違いなく、ポジティブ表現が多いこと、すなわち前向きな言葉づかいとかポジティブな行動とかそういったものがすごく多いというのは確実にあると思うんですね。
例えばシーサーちゃんがよく言う言葉の1つに「頑張ります!」っていう言葉があります。また、自分が働きたいと思っている”郎”というラーメン屋で実際に面接を受けたいなと思ったときには「ここで働かせてください!」という風にすごくポジティブに話をしている。それも大きな声とか笑顔を絶やさずにね。
いずれにいたしましても、シーサーちゃんは少なくとも作中でネガティブな表現を使っている描写が1コマ足りともないんですよ。
つまりシーサーちゃんは常にポジティブな表現・前向きな言葉しか発していないんですね。こういった前向きな姿勢・ポジティブな表現が間違いなくシーサー人気の1つになっていようかと思います。
私自身もシーサーちゃん非常に好きなんですけども。その理由の1つが、どんな困難に出会ったとしても「それを前向きに乗り越えるんだ」「絶対にこれを超えてやる」「頑張っていくんだ!」そういう姿勢が見えるからなんですよね。皆さん方の周りにいる明るい方々も、やはりポジティブ表現を主に使っていると思うんですよ。
ということで皆さん方が自分を明るい人だと見てもらうためには、ネガティブ表現を使うことはNGです。可能な限り自分が使う言葉・使うレトリックそのものをポジティブな表現に置き換えていくというのは意識してみていただきたいと思います。
さて、以上が今回の質問への回答となりますけれども。ぜひ皆さん方自身が面接に入ったときに、面接官からしっかりと「この人は明るい人だな」「感じのイイ人だな」と評価してもらえるように、自分の明るさをしっかり意識した上でトレーニングを続けてほしいと思います。
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