【国家一般職】官庁訪問と学歴

【相談内容】

筒井先生、日頃からお世話になっております。

以前に政治学行政学の勉強法について質問させていただいた者で、先生のアドバイスのおかげで今年度の国家一般職試験にて教養約5割、専門8割という点を取ることができ、正直一次はほとんど突破してるだろうと安心しております。

現在私は官庁訪問に向けて行動しており、説明会の申し込みや面接カードの作成、面接対策など前向きに行動しております。ちなみに私は高卒であり大学の卒業資格を持っておらず今回の試験を受験しました。

そこで質問なのですが、官庁訪問に行こうと思っていた某省庁の面接カード記入欄の中に大学の卒業やGPAについて、さらにはTOEICについてなどの項目が設けられており、私はこれらの要素を何一つ持っておりません。この場合やはり高卒程度の学歴や能力では受けるにあたわないので受けに来るなと門前払いされていると思ってもいいのでしょうか?

それともこれらの要素を記入せず素直に勝負しに行っても問題ないのでしょうか?自分としては所詮高卒だから今回たまたまいい点を取れただけだし、やはり優秀な大卒の方々と勝負するのは身分不相応だったのかもな、と劣等感に駆られてしまいます。

くだらない悩みですが、もしよければお応えいただけないでしょうか?

筒井からの回答

ご無沙汰しております。
お元気でしたか?

にしても、素晴らしいスコアじゃないですか!
とくに専門8割というのは大したものです、よく頑張りましたね!

さて、今回いただいた質問文に「高卒程度の学歴や能力では受けるにあたわないので受けに来るなと門前払いされていると思ってもいいのでしょうか?」と記されていたんですけれども。
そんなわけないじゃないですか。

「某省庁の面接カード記入欄の中に大学の卒業やGPAについて、さらにはTOEICについてなどの項目が設けられており」とありますけど、私が思いますには、それは単に受験生の大半が大学生なので一応書いてもらっているというだけであって、質問者さんのような高卒の方を排除するのが目的ではないと考えます。
そもそも、そもそもですよ。

もし本当に高卒の方を排除したいのであれば、国家一般職の受験資格に「大学卒業もしくは大学卒業見込みの者」としておけば事足りるじゃありませんか。
じゃあどういうことなんだって言ったら、高卒の方を排除するのを目的としているわけではない、あくまで形式的なものである、と考えるのが自然だと思いますし、少なくとも私はそのように考えます。

ただし、あえて申し上げておくと、学歴云々については、省庁によっては内々定に影響を及ぼしているようなところもあります。
このように断定的なことを言うのは問題かもしれませんが、私はそのように確信しています。

とくに、大きな省庁(ここでは言えないのですが…)ではその傾向がより強いように感じられます。
これに対しては、「学歴があるから内々定を得られた」というのではなく、「優秀な人は(平均的には)学歴がある。で、その優秀さゆえに内々定を得ているだけで、学歴そのものは影響を及ぼしていないのでは?」という反論があるかもしれません。

ただし、国家一般職ではなく国家総合職に関して言うと、中央省庁における出世に対して、学歴が影響を及ぼしている可能性が示唆されています(川口大司(2008)「出世を決めるのは能力か学歴か」大竹文雄編『こんなに使える経済学』ちくま新書,所収)。
上記の研究は「出世に対する学歴の影響」を対象にしたものですので、厳密には「採用に対する学歴の影響」を示しているとは言い切れない部分があります。

また、国家一般職と国家総合職は別物だという考えもあるでしょう。
しかし、仮に出世に対して学歴の影響が及んでいるなら、採用段階でも影響が及んでいると考えるのが自然な気がいたしますし、少なくとも、全く影響が及んでいないと考えるのはやや不自然だと感じます。

ただし、ただしですよ。
仮にそうであったとしても、だから何だと言うんですか。

学歴が採用に影響を及ぼしているとしても、その全てが学歴によって決定されているわけではありません。
当たり前ですけど。

同じような話は、学歴以外にも当てはまります。
例えば容姿。

イケメン、美人は面接で有利と言いますけど(っていうか心理学でもそれを支持する研究は多いんですけど)、美醜だけで合否が決まるわけじゃありません。
当然ですけど。

何より、何よりですよ「自分としては所詮高卒だから今回たまたまいい点を取れただけだし、やはり優秀な大卒の方々と勝負するのは身分不相応だったのかもな」とありますけど、大卒=優秀と仮定するなら、その大卒と高卒ながらに(と言ったらちょっと失礼かもしれませんけど)筆記試験で戦えている質問者さんは十二分に優秀だと私は思います。
ということで、色々と思うところはあるかもしれませんけど、私としては胸を張って、自信をもって、官庁訪問に挑んで欲しいと思っています。

ぜひ、下剋上キメてやりましょう。

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筒井夢人

面接研究所を運営している筒井夢人と申します。プロ講師として、公務員試験の面接指導を長年行ってきました。なお、自身も公務員試験を受験しており、国家公務員(総合職・一般職)・県庁・特別区・横浜市・仙台市などに最終合格しています。

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