今回は、公務員試験の面接で落ちる人がやりがちなことをテーマにお届けします。
この記事を読んでいる方の中には、これから初めて公務員試験の面接を受ける方もいれば、何度か受けて面接で不合格になっている方もいるでしょう。特に後者の方に向けて、アドバイスをお伝えします。
面接で落ちがちな人には、ありがちなミスがいくつかあります。今回は、そのうちの1つを取り上げましょう。
民間を下げている
結論から言うと、面接で落ちる人がやりがちなミスは、民間を下げて話してしまうことです。
この記事を読んでいる方は、新卒で就職活動をしているのかもしれませんし、社会人として転職を考えているのかもしれません。
いずれにしても、公務員を受ける際には、民間企業と公務員を比較したうえで公務員を選ぶ、という意思決定をしているはずです。
そのため面接でも、「なぜ民間ではなく公務員を選んだのですか」と聞かれます。このときによくあるのが、民間を下げたうえで「だから公務員を選んだ」と話すパターンです。
では、そう話すことの何が問題なのでしょうか。
この話し方では、公務員を選んだ理由がとても消極的なものに映ってしまいます。「公務員がよいから」ではなく、「民間がダメだから公務員を選んだ」という話になるからです。
少なくとも、ニュアンスとしてはそう伝わってしまうでしょう。
これでは、面接官が「なるほど」と納得することはありません。基本的に、民間を下げる方向で話を進めるのはNGです。
具体的によく見かけるミスのパターンが2つありますので、順に紹介します。
①「利潤の追求」
1つ目は、「利潤の追求」に関するものです。
多くの方は、民間企業と公務員の特徴を比較したうえで、それぞれの特徴を話すと思います。その際、民間の特徴として多くの受験生が挙げるものの1つが「利潤の追求」です。
これ自体は、事実として正しいといえます。民間企業は利潤を追求する存在であり、まったく間違いではありません。
ただ、面接でこの点を話すとき、利潤の追求をまるで悪いことのように語る受験生がとても多いのです。特に、不合格になっている方にその傾向があります。
しかし、利潤の追求はそれ自体が悪いことなのでしょうか。ここを少し考えてみてください。
企業が利潤を追求するには、商品やサービスなど、何かを生み出す必要があります。それを消費者に提供し、その対価としてお金を得るわけです。
何かを生産して消費者に提供すれば、消費者の欲求はよりよく満たされます。
たとえば、皆さんが欲しいと思っている商品やサービスを企業が提供してくれれば、その欲求は満たされます。この時点で、企業は社会にとってよいものを提供しているといえるでしょう。
その対価として、企業にはお金が入ってきます。そのお金は、まずそこで働く労働者に分配されます。
つまり、労働者の稼ぎになるのです。その稼ぎがあるからこそ、民間企業で働く人は生活できます。これは明らかに、社会にとってよいことです。
さらに言えば、企業はもっとストレートな形でも社会に貢献しています。それは、税金を納めていることです。
企業が稼いだお金は、一部が労働者に支払われるだけでなく、税金として行政にも納められます。税金を納める企業があるからこそ、公務員はさまざまな行政活動を行えるのです。
そう考えると、間接的ではあるものの、行政活動の原資を生み出しているのは企業だといえます。企業が利潤を追求しなければ、行政は活動を展開するための原資すら得られません。
ですから、民間企業の利潤追求をばかにしたり、下げるように話したりするのは、極めてナンセンスなことです。
少し余談になりますが、これは私が思いついた話ではありません。私は大学・大学院で経済学を学んでいましたが、経済学では基本的に、企業の利潤追求は悪いこととはまったく見なされていません。
むしろ先ほどお話ししたように、利潤の追求は結果として社会貢献につながる、という考え方を経済学を通じて身につけました。
そのおかげで、私はさまざまな組織の公務員試験を受けましたが、利潤の追求を悪いことのように話したことは一度もなかったと記憶しています。
面接で、民間企業の特徴の1つとして利潤の追求を挙げること自体は、まったく問題ありません。ただし、まるで利潤の追求が悪いことであるかのように、民間企業を邪悪な存在であるかのように語るのは絶対にNGです。
これから面接でリベンジしようという方や、これから受験する方は、特にこの点に注意してください。
②「民間には限界」
2つ目は、「民間には限界がある」という話です。
これは、民間企業にお勤めの方がよく使う表現でしょう。「民間企業でさまざまな仕事をする中で、民間の限界を感じて……」という論調で話す方は、とても多いのです。
私自身も、民間企業には限界があると思います。それ自体は、そのとおりでしょう。
しかし、落ちがちな人は、民間には限界があるのに、公務員にはまるで限界がないかのように語ってしまうことが多いのです。
これは、どう考えてもおかしな話です。民間企業には限界があるとして、では行政組織に限界はないのでしょうか。民間であれ行政であれ、どんな組織にも限界はあります。
ですから、限界について話すこと自体はまったく問題ありません。ただし、「民間には限界があるから民間は悪い」という話しぶりになると、面接官は間違いなく違和感を抱くでしょう。
面接官によっては、「でも、行政にも限界はありますよね」「行政の限界はどこにあると思いますか」と、かえって厳しい追及や突っ込みを招くことにもなりかねません。
民間に限界があるのは事実ですし、そのとおりだと思います。だからといって、「民間はダメだ」という話しぶりにならないよう、ぜひ気をつけてください。
レトリックに注意
ここまで、民間を下げないために注意してほしい点をご紹介しました。
とても細かい話だと感じた方もいるのではないでしょうか。民間の利潤追求について話してもよいものの、話しぶりや表現といった細かい点に気をつけてほしい、という内容でした。
しかし公務員の組織を受けるときには、こうしたレトリックに注意することがとても重要です。
なぜなら、レトリックに無頓着な人を公務員として採用すると、たとえば市役所であれば、その人が窓口に立つことになるからです。そこで不用意な話し方をすれば、当然ながら地域住民からの苦情につながりかねません。
また一般に、行政組織は文書主義だといわれます。行政は文書を中心に運営されていますが、文書とは言葉の集まりです。
つまり、行政組織は、言葉を中心に運営されている組織なのです。
その言葉の使い方に明らかな問題がある人を採用するのは、さすがに難しいという話になってしまいます。
ですから、行政組織は言葉遣いや話しぶり、すなわちレトリックに、民間企業以上にとても敏感だと私は感じています。
皆さんも、面接やエントリーシート、実際に話す言葉など、一挙手一投足のすべてに注意してください。
今回お伝えしたい内容は以上です。
なお、最終面接で合否を分けるポイントについては、下記の記事で詳しく解説しています。

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